ピンポーン♪


約束どうり、ホテルの部屋のチャイムがなった。


“おぉ由貴。直も一緒だから”


“じゃあ行こうか。早くしないといい波来なくなっちゃうよ”


“分かってるって。
ってか詩音ちゃんは?”


“あぁ、詩音なら先行ってるよ。あの子並外れに体力あるから、予選終わった時からもうずっと海にいるみたい”


“すごっ。直、行くぞ”


“おぉ”


心なしか、詩音ちゃんがいないことを知った直は、がっかりしたように見えた。


だけど、一言返事をした直は、タオルを持って部屋を出た。


“直さんは、サーフィンやらないの?”


由貴が驚いたように尋ねた。


“あぁ、俺はできないから”


“教えようか?”


“いや、今日は走りたい気分なんで。

あと、`直さん´ってどうにかならない?タメなんだし”


“あっ、そうだよね。じゃあ早川君?”


“早川でいいよ”


“わかった”