翔の言った通り、朝倉が来た。


俺は、彼女がいないことを知って少なからずがっかりした。


どうしたんだ?


どうしてこんなに気になるんだ…?


頭の中でそんな疑問が繰り返される。


――……、これじゃまるで…。


翔と朝倉を見れば、俺が邪魔なのはすぐに分かる。


だから俺は、海に来るとすぐに2人と別れて走りだした。



今日は満月か…。

特に月を気にする方でもないが、この日の月は温かい輝きを放っていて、まるで童話の中に迷い込んだようだった。










そう、こんな満月の夜には、










人魚姫が現れそうだ。