“ただ今の結果、


1位
 若葉学院 長谷川 直

2位
 ……

3位
 ……”



走り抜けると同時に、アナウンスが流れる。


やった…。


俺の目からは、自然に涙が溢れる。



“やったな、直”


“おめでとう”




“ありがとう”


皆のおかげで、ここまでこれた。


彼女のおかげで、陸上を続けられた。



表彰台の1番高いところに立った今、思うのは、感謝の気持ち。



もし、誰か1人でもいなかったなら、俺は今、ここにはいなかっただろう。


不意に、彼女と目が合った。


微笑む彼女に向かって、Vサインをすると、彼女は、人差し指を突き立てて、

`No1´

と、唇を動かした。