だんだんと自信を取り戻して、


走ることに息苦しさを感じなくなった。

それは、まるで










大きな海を泳ぐ、
魚になったように。


迎えた大会当日、



俺は本調子を取り戻していた。


目標だった、フィニッシュも堂々と決められて、残るは決勝だけだ。



でも、その前に彼女の長距離決勝。



コースについた彼女と目が逢う。


その瞬間、彼女がビシッと人差し指を突き立てた。


`見てて´

形の良い唇を動かして、彼女はそれだけ伝える。


あぁ。



彼女は変わってない。


`No1になるから
       見てて´