あの日、










大会結果に落胆した俺は










砂浜を走っていた。










……少しでも結果が残したくて。










少しでも速く追い付きたくて。










海にはたくさんの人がいた。


俺のように砂浜を走る人、ゆっくりと歩いている人、海でサーフィンをしている人…。










その中に、ひときわ目立つサーファーがいた。




堂々としていて、まるで波を操っているようになめらかな動き。










そうとうな自信があるのだろう…。





見ている人達に手を振った応えている。





俺にもあれぐらい自信があったらいいのに…。


密かにそんなことを思っていた。



“そこの人、早く海から離れて!”


どこからともなく、声が聞こえ、自分のことだと気づいた時には、波に足を捕られていた。