君にキス。







電話越しの声は、アレはやっぱり誰かのイタズラで、
深が言ったんじゃない、だったとしたら。


ちょっとふざけてみただけ、とかは深だったらありそうだし。




だけど。






あの口調に、ふざけなんて、嘘なんて入っていないような気がする。




「なあ深」

「ん?」






詰問タイムのはずなのに、行き詰まる。
詰問タイムのはずなのに、沈黙。


うーん、と小さく唸れば、深は不思議そうな顔をした。