胴垂(ドウタレ)の両方をつけたままで、左手に手拭いを持って、たっている。
手は洗ってあるのか、剣道独特のコテの臭いはしないけど、かすかに汗の匂いがして。
ちょっとくずれた髪の毛、とか。
ちょっとはだけた胴着からみえる首元と、…鎖骨、とか。
男子なのに、凄く色っぽくて。
忘れかけていた、懐かしい感覚が、少しだけ蘇った。
「ぼーっとしてんじゃねぇ。
気色悪ィな」
明らかに怒気を含んだ声に、我にかえる。
……何見とれてんのよあたし!!
こいつは敵!!
最低な男っ!!!
「…最悪」
ぼそっと呟く。
「上等だコラ。
なんの用だって聞いてんだよ」
若干キレながら、一春が言う。
まじ、最悪…。
「コレ、彩子先生からお届けモノ」
