ダーリンは王子様★

「…そうですよね…わかりました…あの、コレ。クッキー…焼いたんでよかったら食べてください!それじゃあ!」


女の子は小さな紙袋を手渡すと走って行ってしまった。



「ほらね、僕の言った通りでしょ?」

「へぇ~。手作りクッキーとは健気だねぇ。」


「ぅおいっ!お前らいつから見てたんだよ!」




玄関の前で姉貴と総司が様子を伺うようにつっ立っている。




「最初からだよ。」


「僕はみんなの王子だから…だってー。ププー!超おもしろいんだけどー!」



「てめぇ、殺すぞ。」



俺だってこんなこと言いたいわけじゃない。


むしろ王子なんてやりたくない。







「いただきます…」


ようやく朝食の時間。


「アンタ朝からずいぶんめかしこんでるけど、どうしたの?」


真向かいに座っていたオカンが目を丸くして言う。ちなみにオヤジは単身赴任中で家にいない。


「別に…ほっといてください…」


「このクッキーうまー!」


「勝手に食ってんなよ!」