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それから、

あっという間に数週間が経った。


あの日以来、あたしに対する嫌がらせはおさまったし、女子の怖いくらいの殺気も無くなって……


むしろ……



「ねーねー!ユカちゃん!王子って普段どんなカンジなの!?」


「デートはどこ行くの!?」


「どんなメールとか電話するの!?」




あたしのまわりに集まるクラスの女の子…



「ど…どんなって…えっと…意外に、フツー……かな。むしろ地味?」


「キャー!地味だって!でも地味な王子もまたいいよね~☆」


「チューは!?チューとかすんの!?」




チュー!?
そんなとこまで聞く!?




「えーっ!いいないいなっ!」


「はいはーい。王子の質問はこのへんで終わり~!ユカリンだって毎日そんなこと聞かれたんじゃ身が持たないから!」



女子の勢いに負けているあたしを見兼ねて香奈ちゃんが間に入った。


「ユカリンちょっと出かけよう!」


「え!?うん…いいけど…?」



香奈ちゃんはあたしの腕を引っ張ると教室を出た。


「も~スゴいね!女子の興味関心が…」


「てか、みんなあたしに興味があるんじゃなくて王子に興味があるだけだしね!一番近い関係のあたしを介してちゃっかり王子を知ろうなんて…ムキーっ!」


「まぁ落ち着きなよ…」



だって…


王子はあたしだけの王子だもんっ!


………なんて、独占欲強すぎかしら!?