ダーリンは王子様★

あずさんと大空は黙って部屋を出ていってしまった。


「…梓さんが…見つけてくれたんだよ、この子だって。」


あずさんが?
どうやって!?
スゴすぎるでしょ!




「ごめんなさいっ……こんなに大変な騒ぎになると…思ってなくて…」



田中さんは泣きながら謝った。



「なんで蒼井に嫌がらせするの。」


「王子!」



王子は少し……というかカナリ怒っている様子だった。


「……あたし…王子のことずっと好きだった……ずっと見てた…だから…悔しくて…」





なんだか胸が痛くなった。



近くにいるのに遠い存在で、ずっと側で見てた。なのに、途中からあたしが現われて王子に好きになってもらえて…


振り向いてもらえない。こんなに近くにいるのに気付いてもらえない。



田中さんの“悔しい”って気持ちが痛いほど伝わってきた。





田中さんもあたしと同じように王子のことが好きだっただけ。


ただ、それだけのこと。


あたしや他の子と変わらない、誰かを好きになる普通の女の子。



その気持ちが少し暴走してしまっただけのこと。



「……田中さん。田中さんの気持ちはスゴくうれしいよ。だけど、田中さんが僕を好きなくらい、僕は蒼井のことが好きなんだ。だから、蒼井に嫌がらせをするのはスゴく困る。」