ダーリンは王子様★

それから数日あたしに対する嫌がらせは続いた。


画鋲はもちろん、ゴミが入っていたり、上履きを隠されたり…



さすがにここまで来ると気にしないようにと思っていても、嫌でも考えてしまう。


正体が分からないだけになおさら気味が悪いし、それよりも王子の秘密がバレるんじゃないかって毎日ヒヤヒヤしていた。



そして、あたしは自分から王子に会いに行くのをやめていた。




「ユカリン…」


「ん?」


「最近王子となんかあった?」



お昼休み、教室でお弁当を食べながら香奈ちゃんが心配そうにあたしの顔をのぞきこんだ。



「何にもないよ!なんで?」


「だってこの頃全然VIPルームに行ってないじゃん。」


「あぁ…ほら、そろそろ期末テストもあるしさ☆勉強しないとだし…」


「そう…それならいいんだけど、なんか顔色も悪いしさ…」



確かにここのところ不安で全然眠れていなかった。


眠っても王子の秘密がバレる悪夢を見て飛び起きる。怖すぎて眠れない…



結構何気に精神的に追い込まれてるかも、あたし…。



嫌がらせのことは香奈ちゃんにも話せずにいた。


香奈ちゃんのことだ…


言ったらめちゃくちゃキレて犯人探しする!とか言い出しそうだし…心配かけたくない。



あたしが王子に会わなければいいだけ。


あたしが我慢すれば穏便にすむことだもん!


タンブラーに入れていたあったかい紅茶を飲もうとしたとき、ブレザーのポッケに入れていた携帯が鳴った。