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「ふわぁ~…さみぃー…学校行きたくねぇ…」


リビングにセッティングされたコタツに身体をスッポリ入れている悠太。


「なに生ぬるいこと言ってんの!始業式の日に休むなんて許しませんよ!」


「お前何キャラだよ…」



コタツの中から出ている悠太の腕をつかんでズルズル引っ張り出す。



「………ん!?」


身体を半分出した悠太が鼻先をピクピク動かした。



「……くさい。」


「え?」


「ユカリンくさい!」


「うそだ!?ちゃんとお風呂入ったよ!」



「違う…オシャレなニオイがする……香水?」



ドキッ!


冬休みも終わり、今日から3学期。

今日初めて王子にもらったグッチの香水をつけたんだけど…



悠太はガバッと起き上がるとあたしに顔を近付けてますます鼻を動かした。



「高級なニオイ…ブランドだなコレ。」




警察犬なみの嗅覚!



「……あぁん!?ユカリンの首についてるのって…まさかネックレス!?」


悠太の顔がまたズンッと一層近付いた。



「勝手に見るな変態兄貴ーっ!」


「ぐぅわっ!」


「あたし先に行くから!いってきます!」




あたしは悠太を思い切り突き飛ばすとソファーの上に置いていたカバンを持って家を飛び出した。




「フゥ…悠太に色々勘ぐられるとめんどくさいんだよなー。」



悠太の言うとおり、あたしの首にはネックレス。


もちろん王子にもらったやつ☆


王子につけてもらったあの日から肌身離さずつけてる♪


王子にもらったネックレスに、王子にもらった同じ香水をつける…


幸せすぎるっ!