ダーリンは王子様★

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意味もなく蒼井を部屋に呼んだ。

いや意味はある。

ただ会いたかっただけ。


じゅうぶんな意味。


ただそう素直に言えない俺。


たぶん…いや絶対?蒼井のことが…す、す…好きなんだと思う。


でもプライドが邪魔してそんなこと死んでも言えないと思ってる俺と、早く言っちゃえと急かす俺と、まさに板挟みな状態!


普段の俺はプライドが邪魔してるのに、修学旅行のときとかいつもと場面が違うと気持ちが高ぶってついつい口走りそうになる…


自分はカナリ雰囲気に流されやすいタイプなんだなってことに気付かされた。



部屋に呼んだはいいけど…そのあとのことは特に考えてなかったのでその場しのぎでなんとなくピアノを教えてもらうことにした。



どーでもいいけど…


近い!


距離が近い!


となりに座ってるから当たり前なんだけど…やけに今日は近くに感じる!


気持ちの問題?


蒼井が俺のまだ弾けない部分を横から先生のようにポロポロと弾き始めた。


細くて白い指。


蒼井からは美容院のようなシャンプーのいい香りがした。



聞き入っていると、思いっきり音を外しやがった。



「…なにそのマヌケな間違い方。」



「えへへ…緊張しちゃって…」



「緊張?」



コイツが?
コイツでも緊張なんかすんのかよ。


ヘラヘラと笑う蒼井の横顔を見ていると蒼井がこっちに顔を向けた。