ダーリンは王子様★

「ねぇねぇ、王子って誰ー?」


あたしの横で携帯をのぞきこもうとする大空から少し離れて携帯を閉じる。



「王子っていうのはその名のとおり王子様のことで、ウチの高校には王子様がいるの。」


「王子様?」


「学校1かっこよくて頭がよくて運動神経抜群で上品で優しくて何事も完璧な2年生じゃないと王子様にはなれなくて、今年は二階堂政宗先輩が王子なの!」


「それって有名なの?」


「超有名!知らないほうがおかしいくらい有名!」



「そんでユカリンは今その王子様に片思い中ってワケ。」


「えへへ♪」



香奈ちゃんの発言に思わず顔がニヤける。


まぁ、事実なんだけどさ、なんだか恥かしい。



「……大空?」


「片………思い…………中………」


「…あらら、あたし余計なこと言ったみたいだね…」



大空はまるで頭に何か落ちてきたような、衝撃的な顔をして口をパクパクさせていた。



「うそだ…ユカリンうそだと言ってよ!」


大空に両肩をつかまれ前後に揺さぶられる。


「いや…その…ごめん…ホント…」



「うわあーんっ!」



「あーあぁ…泣き出しちゃったけど、ユカリンいいの?」


「…大丈夫、放置しておいて。」



勝手に来て勝手にヘコんで勝手に泣いて、大空って本当忙しいヤツだな…



なんて脳天気なことを思うあたし…