ダーリンは王子様★

下を向いて今来た道をゆっくり戻る。


街灯はあるのに、うす暗いし人は多いしでうまく探せない…



うう……
アルパカさん…

王子からもらった大事なやつなのに…


このまま見つからなかったらどうしよう…どうしよう……


あのアルパカさんはあたしにとっては王子の分身みたいなものだったから、なんだか王子がいなくなったように感じて、自然と涙が出て来た。


たとえ数百円でも、

たとえ薄汚くても、

あたしにとっては大事なモノだし大事な思い出なのに…



「うぅっ…」



あたしは人目もはばからずその場にしゃがみこんだ。


無くしたなんて王子に言えないよおぉ…



「………蒼井っ!」




……へっ?



雑踏の中から微かだけど、あたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。



「蒼井っ!」



この声は……



あたしは涙であふれた目をこすって振り返った。



数メートル先にいたのは息を切らして走ってくる王子だった。


王子はしゃがみこむあたしの前に来ると手をひざにつき、呼吸を整える。



「……い……いた……」


「王子……」



「…こ…ん……の………アホんだらー!!」




ヒィーっ!!
き、キレた!


「ごっごめんなさい!」


「電話もメールも出ないし、駅にもいないし…心配すんだろうが!」


「へっ?」