ダーリンは王子様★

「いらっしゃい☆」


あずさんがいつもの笑顔で迎え入れてくれた。



王子の姿は………………ない。



今日は来てないのか…


「どうかした?」


キョロキョロとあたりを見渡すあたしにあずさんが気付いた。


「いえ、なんでもないですっ!」


「あぁ…政宗ならなんだか知り合いの人と大事な話があるとかで帰ったよ?」




知り合いの人…

大事な話…




あゆみさんだ。




「…ユカちゃん。ちょっと座って☆」


「はい…」



いつもの指定席に座ると、あずさんもいつもの席に座った。



「最近、政宗となんかあったでしょ?」


「え?」


「僕の目はごまかせないよ☆」




さすがあずさん…






「……王子が…王子がドンドンあたしから離れて行くんです。」


「離れていく?」




こないだまであんなに近くにいた王子が今ではずっと遠い、あたしが手を伸ばしても届かないようなところにいるんです。



「…どういうこと?」



あたしは今まで大きな勘違いをしていました。


『彼女がいないから好きな人もいない』なんてことはなくて、


正確には『好きな人がいるから彼女を作らない』だったんです。



「それはつまり…政宗に好きな人がいるってこと?」


「……はい。」