ダーリンは王子様★

「…おい…蒼井…」


「あ~いい話聞いてたら鼻水まで出て来ちゃいましたよ!あ!そういえばあたし今日夕飯作んなきゃでした!そろそろ帰ります!」




明らかに不自然なウソ…


王子に失礼なのも分かってる。


でも、これ以上王子と一緒だと、


かっこわるいくらいボロボロ涙が出そうだ。



下を向いたまま席を立ち早足で店を出た。



「おいってば!」



王子にガッチリ腕をつかまれる。


痛いくらい王子の力は強くって、あたしには振り払えなかった。


もはや振り払うだけの力もなかった。



「……どうした?……ごめん。俺…なんか悪いこと言った…?」




王子はめずらしく不安そうな顔をした。



どうしよう…


あたし王子のこと困らせてる…!

こんなことしたかったわけじゃないのに…



「全然言ってないですよ!なんで王子が謝るんですか?…って、あたしが泣くのがいけないのか…ごめんなさい!でもあれは本当にイイ話だなって思っただけです♪王子も見掛けによらず可愛いですね~☆」



あー…


あたしってウソつくとやけにおしゃべりになるんだなー…


今気付いたよ。



「………………」



王子はあたしの顔を見つめたまま、何も言わずにつかんでいた腕をそっと離した。