両手いっぱいの荷物で家に帰る。


と、


「どうでもいいけど、あの人、おにーと同じ高校の人じゃないの?」


「え~?」


総司に言われ、目を細めて前方を確認する。



確かに俺の家の前に…同じ高校のやつ!


しかも女子!



どっどうしよう!
引き返すか!?
引き返すしかないよな!?
これが俺だってバレたら……




そう思ってる間にその子はやってきた俺に気が付いた。



「すいませーん。あの、ちょっと聞いてもいいですか?今、二階堂さんちを探してるんですけど……」





ゲ!!
しかもよりによって蒼井ユカ!!
なんで!?
なんでいんの!?
てかどうして俺んちの住所知ってんの!?
ストーカー!?


「…ウチなら…ここですけど…」



はっ!
やべ!!
無意識のうちに“ウチ”って!

なに暴露してんの俺っ!!



「あ、目の前だったんですね。すみませんありがとーございました。」



き、気付いてない!
コイツ俺に気付いてない!


よし、このままさり気な~く家の前を通過しよう…



と、した瞬間…



「ほらね、僕の言った通りおにーと同じ高校の制服でしょ。」



うぉーっい!!
何余計なこと言っとんじゃ!


総司が無邪気に笑って言った。ワザとだろ!ぜってぇワザとだコイツ!