すると慌てて首を横に振る慎也さんに、少し驚いた。
「いやっ、そうじゃなくて…」
無意識にあたしの表情が変わったのが分かったのが、言葉を必死で弁解させようとする慎也さん。
「ははっ!慎也さん慌てすぎです!」
ツッコムあたしだけど、ドキドキが止まらなかった。
だって慎也さんの顔が真っ赤だったから…
制服姿に着替えた慎也さんの頭には、キャップではなくコックさんが被るような長い帽子。
白一色の制服からして、厨房担当の人なんだろうな…
「あの、南城?その……制服、似合ってるよ」
「慎也さんもすごく似合ってます!!」
嬉しくて大声で褒め返すと、また慎也さんは顔を染めた。
なんだか可愛い人……
年上なのに可愛い顔して、笑ったらふにゃって子供のような笑顔になる。
黒い髪が無造作にセットされていて、耳には一つの光るピアス。
悩んでいる時に見せる、首を傾げた癖。
年上の"可愛い"って初めて見た…
気が付けば健斗さん達は仕事を始めていて、また慎也さんと取り残された。

