男の人は確かオーナーさんと同じ年齢だから…



「俺は20歳だよー」



あぁ、やっぱり大人だぁ…



正直年上の男の人なんて、お父さんとお兄ちゃんくらいしか親しくないかも。



「ちなみに安藤健斗、健斗さんって呼んで♪」



「あ、はい!」



健斗さんかぁ、覚えとかなきゃ…



でも、よく見ればあたしと同じ年の人いない…もしかして高校生はあたしだけ?



「あ、来た来た。成瀬ー!」



健斗さんは店の扉から誰か入って来たのに気が付くと、手を振りながら名前を呼んだ。



あたしもつい目が行ってしまった。



……私服姿?健斗さんの知り合いだからここで働いている先輩かな?



店に来た男の人は、健斗さんに駆け寄ると軽く頭を下げて挨拶をしていた。



「おっす、健斗さん」



「おっす…じゃねぇーよ、遅刻魔!それより今日は新人さん来てんだよ」



急に口調が荒々しく変わった健斗さんは、何だか上下関係を感じた。