翌日教室で待ち構えていたのは、

「説明して」

真姫の鬼の形相。

何をどう言えば良いのか思い悩み

「えっと…」

「何かスッキリした顔してる」

登喜子が顔を覗き込んだ。

詳しくは話せないけど…。

「透弥さんとすれ違っちゃって。距離置かれてたっていうか…。
それも結局誤解だったんだけど。昨日無事に仲直りっていうか…」

そう言えば、両想いってことにはなったんだよね?

付き合ってとは言ってないし。
もちろん言われてもないけど。
離さないっていうのはそういうことだよね?

でも友達としてってことかも?
だけど特別って言ってくれたし。
特別って女子の中ではってこと?

でもでもキスもしてる…。

昨日のキスはびっくりしたな。
アレってやっぱり舌だよね。

透弥さんの感触を思い出して唇を手で押さえる。

「何思い出してるの?」

真姫の声に現実に引き戻された。

「突然黙り込んだと思ったら難しい顔して悩み始めて、今度は赤くなってうっとりしちゃって」

登喜子が呆れて言った。

「うっとりなんてしてないもん」

顔から手を離して呟く。

「透弥さんなんて呼んじゃって、付き合い始めたの?」

衣里が自分のことのように喜んで聞く。