困惑の表情を浮かべる二人を前に私は愛想笑いを浮かべ返す。

「…いつから聞いてたんだよ?」

志穂さんの無愛想な声に体が反応してビクついてしまう。

「えっ…」

返事に詰まる私に代わり。

「晶は僕が連れてきましたけど…部屋の前で待機させましたので、聞かれては居ない筈です。
然しこの状況は何も知らない晶に気の毒だと思いますので説明して頂きたいのですが如何です?」

透弥さんが至極冷静沈着に体裁を整えてしまった。

「申し訳ありません透弥様!
仕事中にも関わらずこの様な事態を招きまして何とお詫び申し上げれば宜しいのか…」

鉄ちゃんの謝罪の言葉を片手で
透弥さんが制した。

「お詫びの必要はありませんよ。寧ろ巻き込んだのは僕の方です。…それにそれでは晶が余計に混乱するだけだ。
僕が求めているのは状況説明…」

混乱を招いているのは透弥さんの方だけど今は口を挟むべきでは、無いのだろう。

透弥さんに任せておいた方が良いってことで只三人の顔を交互に見比べていた。

「状況説明…と言われましても」

言葉を濁し志穂さんに視線を移す鉄ちゃんに代わり。

「さっき…朋弥さんに言った通り付き合う…ことになりました」