確かに詳しく教えてくれたのは、朋弥さんで透弥さんじゃないけど

「透弥さんからも聞きました志穂さんが…透弥さんの初…だって」

どうしても言葉に出来なかった。それを口にしては認めてしまう。そう思うと出来なかった…。

「体だけの女でしょ?
透弥さんのお父さんに頼まれた。金を渡されたけど受け取らない。今更何を言ったところで言い訳にしか聞こえないだろうけどさ…」

志穂さんの諦め切った声が胸の奥を締め付ける。

「私はずっと好きだったんだ。
出会った頃からずっと透弥さんを見てたんだから嬉しくって誰かに言いたくて写真撮って見せびらかしたくって…仕方ないだろ?」

気持ちは分かってしまう。
私だって…透弥さんとの仲を皆に認めて欲しいといつも思ってるから。

でも志穂さんはやってはいけないことをやってしまった。

「インターネットのホームページ乗せたらさ…大反響だったんだ。そりゃそうだよあんだけの美形はそう見られるもんじゃないから。広告を載せてたからさ透弥さんのお陰でボロ儲けだったんだよ。
コーディネートも人気出てさ…」

意図してしたことじゃなかった。話し振りから後悔も感じられる。

透弥さんは知ってたの?

「朋弥さんは本当に子供の頃から仕事熱心だったから怒って当然…けど…透弥さんはファッションの世界を今の仕事を仲介したり仕事の斡旋してくれたりして今でも見守ってくれてるんだよ本当に相変わらずお人好しなんだね…」

寂しそうな微笑に魅了されて。

「透弥さんはホントに志穂さんを大切に思ってたと思いますよ」

囁いていた。