透弥さんが壇上に上がると、
会場からどよめきが起こる。

「略、朋弥が言ってくれたから…補足だけしておこうと思う。
僕等3年にはこの学園での最後の
1年には高等部に進学して最初の
2年の中にも転入生には初めての
体育祭となる訳だから…。
誰の想い出にも後悔という傷は、残して欲しくない」

透弥さんの補説に生徒等は静かに耳を傾けていた。

「君達が此処で過ごす時間は、
極僅かな限られたものだと思う。パブリック校に通う同年代の人より遥かに不自由で窮屈で退屈な世界だけどこれが僕等の世界なんだということを受け入れて…、
その上で改めて考えて欲しい。
本当に終わらせて良いと一人でも思っているのなら僕はこのまま、終わらせようと思う」

会場が透弥さんの言葉を、
確に受け止めうつ向く。

「この学園では行事に教員が関与しないのは、僕等生徒の自主性を尊重してだということを踏まえ、体育祭も後夜祭も僕等生徒の物。確に生徒会を中心とした実行委員が準備から進行を進めてきたけど…それは、試験前の君達に負担を掛けない為だった。
当然、実行委員の皆も試験前だ。にも関わらず時間を割いて会議を開き準備を進めてきたのは偏に、君達の為だということ」