透弥さんの強硬な姿勢に、
静まり反ってた。

「紅白両軍の団長というのは…、名前だけだったってことだよね?場外にまで縺れ込むのを…黙殺出来るとは大した団長だね?」

透弥さんと目を合わせられずに、視線を漂わせ。

「血の気が多い連中を、押さえるだけで手一杯で他に手が回らず…怪我人は出しませんでした…」

何とか体裁を整える。

「成程ね。それは立派な働きだ。君がトップの会社では社員抗争に発展しても怪我人さえ出なければ仕事が滞っても問題視されない…って訳だね?」

「そういう訳では…」

一言も声を発せず沈黙を続ける、団長の一人に、

「そして君の場合は…会社の中で何が起きても関与せずに成行を…見守り続けるんだ倒産するその日まで…不憫な社員だね?」

素っ気無い態度を取った。

「早田君…指示は出したよね?
次の競技に進んで無い様だけど…何分遅れか分かってるんだよね?その後の調整も当然出来てると…思って構わないよね?」

当然話を振られた早田さんの体が跳ね上がった。

「来賓の方々を避難為せた後の、接待は教員の方がして下さってるんだよね?」

副会長が透弥さんに頷く。

「はい。理事長も御一緒ですが、念のために埜田君も配置して在りますので必要があれば直ぐに対応致します」