グランドに戻った私達を待ち受けていたのは、

「会長お待ちしてました」

透弥さんを発見するや、
副会長が走り寄って来た。

「どうなってるの?」

その惨劇に眉を寄せる。

「実は…」

透弥さんがこの場を離れた
次の競技である1年男子の棒倒しから全ては始まる。

紅白二組ずつ東西南北で分けた、チーム編成。

現在までの競技得点から、
宮原両選手の大活躍に因って、
白組が圧倒的差を付けて
リードを保っていた。

それを縮めようと、
赤組の両チームが結託して白組の1つを潰した事が引金となっての大乱闘で負傷者が多数出ていた。

「それで来賓の方々に怪我は?」

「いえ。騒動に発展する前に、
全員方避難して頂きましたので」

今は来賓席は空っぽになってる。
序でに職員方の席も…。

まったくこの学園の教員は…。
やっぱりブルジョアだった。

「それだけでは無いよね?
状況を正確に把握したいから、
関係者を直ぐに集めて」

「全員でしょうか?」

「君なら理解出来ると思ってたけど…買い被り過ぎだったのかな?棒倒しの四チーム大将と紅白両軍団長を今すぐ集合させて欲しい」

冷淡に副会長を見下ろし言った。