不器用なLOVER

正妻候補って…。
透弥さんとは付き合って間もないのに結婚なんて考えられないよ。

それは確に、
いつかは出来ればなとは思ってるけどそんな夢叶うはずないことも分かってる。

「先の話だなんて思わずに真剣に聞いて欲しいんだ。
僕と交際をするという事は、
そういうことなんだから…。
何よりも頭に留めて置いて欲しいのは危険も伴うという事だよ」

ホントに本気で正妻候補なんかに出来ると思ってるのかな?

極普通の一般家庭育ちの私を…。

「朋弥も繰り返し示唆するだろうけど簡単に人を信用し過ぎ無いで誰に対しても常に警戒心を持って接するんだよ?」

心配しなくても大丈夫だよ?
そんな日は来たりしないから…。

例えどんなに望んでも、
人が鳥には為れない様に…。

ずっと透弥さんと一緒に居られるなんてことは無いんだから…。

「僕の居る世界は晶が想像してる華やかな世界ではけして無いから大企業同士の競合い腹の探合い…汚い世界なんだ」

それでも近くに居ることが出来るなら透弥さんの心を守りたい。

いつか透弥さんに…、
ホントの正妻候補が現れて、
心安らげる場所が見付かる
その日までは…。

「競合相手に不利な条件を飲ませる為に狙われることも有り得る、金銭目的の誘拐も充分考えられる…晶には分からないだろうけど、何処で恨みを買っても不可解では無いから…」