その日から、
生徒会長の話題を避けるようになっていた。

学年が違うため会うこともなく、
時々遠くに外野の声を聞く程だ。

「はあ〜」

休み時間に机に突っ伏すと
溜め息が溢れる。

「あっちゃん?どうかした?
元気無いみたい」

衣里の声に、視線だけを移す。

「そう言えば、
体育祭もう少しだけど、あっちゃんは誰か見つけたの?」

体育祭で見つける?
って誰を?

頭に?が浮かんでいるのが分かったのか、説明する。

「体育祭っていっても、
後夜祭の方ね。
毎年後夜祭には舞踏館で社交パティーが催されるの」

その社交パティーでは当然社交ダンスなる物を躍らなければいけないらしく、
そのパートナーと同伴することが参加条件だった。
パートナーが見つからない人は…

「去年は申し込まれるの待ってて
結局、三人とも茅の外だったから」

「今年はあんな屈辱味わりたくないよね」

いつの間に、
隣の真姫が力強く頷いた。

「そういえば、今年も生徒会長は参加しないのかな?」

登喜子が思い出したように呟く。

せっかく忘れてたのに思い出しちゃったじゃん。

「生徒会長って…

私の言葉は授業開始のチャイムにかき消された。