足を塗り終える頃には、
涙を溜め口元を両手で覆い、
踏み堪えている状態なのに、
息吐く間もなく、
「UV加工はされてるけど、
一応塗っておく?」
体操着に手を差し入れる。
透弥さんの手が脇腹に触れ、
「ヤッ…」
堪らず、
裾を下に引き伸ばし首を振る。
「ゴメンからかい過ぎた」
両手で抱き寄せて囁く。
「意地悪…」
見上げて睨むのに…
溜め息を吐き、
「その顔は反則だって…」
呟いて…
「此処でキスしてみる?」
目を細め近付く顔に、
「だっ…ダメ」
両肩を押して抵抗していると、
「会長…そろそろお時間ですが」
咳払いと共に副会長の声が割って入った。
背中に隠れて見えてないはずで…透弥さんと何してたのかなんて、分かるはずないんだけど…。
恥ずかしさと気不味さから
「ほっほら、時間だって」
言わなくてもいいのに、
リピートしてしまう。
私の狼狽えとは違って、
余裕に答える。
「分かってる。オケに合図出して行進始めて」
直ぐに副会長を振り返って指示を出している透弥さんを流石だなと思う反面…、
私はまだ平常心とはいえない程に身体中が熱を帯てるのに…、
透弥さんは違うってことが寂しく感じてしまった。
いつも同じ熱でいたいと思うのは我が儘なのかな?
涙を溜め口元を両手で覆い、
踏み堪えている状態なのに、
息吐く間もなく、
「UV加工はされてるけど、
一応塗っておく?」
体操着に手を差し入れる。
透弥さんの手が脇腹に触れ、
「ヤッ…」
堪らず、
裾を下に引き伸ばし首を振る。
「ゴメンからかい過ぎた」
両手で抱き寄せて囁く。
「意地悪…」
見上げて睨むのに…
溜め息を吐き、
「その顔は反則だって…」
呟いて…
「此処でキスしてみる?」
目を細め近付く顔に、
「だっ…ダメ」
両肩を押して抵抗していると、
「会長…そろそろお時間ですが」
咳払いと共に副会長の声が割って入った。
背中に隠れて見えてないはずで…透弥さんと何してたのかなんて、分かるはずないんだけど…。
恥ずかしさと気不味さから
「ほっほら、時間だって」
言わなくてもいいのに、
リピートしてしまう。
私の狼狽えとは違って、
余裕に答える。
「分かってる。オケに合図出して行進始めて」
直ぐに副会長を振り返って指示を出している透弥さんを流石だなと思う反面…、
私はまだ平常心とはいえない程に身体中が熱を帯てるのに…、
透弥さんは違うってことが寂しく感じてしまった。
いつも同じ熱でいたいと思うのは我が儘なのかな?


