恥ずかしくて、
それを誤魔化したくて、

「そだ、後夜祭何だけど、
同伴者が居なきゃダメ?」

思い付いたままに口にする。

「…正式なパーティーに参加するには必要なんだよ?」

一瞬目が合ったけど、
そらされたのかな?

「同伴者が居なければ一人前とは見られないから。
家族での参加も令息令嬢の扱い。高等部が主催の謝恩功労会はその意識付けが本来の目的なんだ」

狙いがちゃんとあるんだ。

透弥さんの説明を首を振りながら聞いていた。

「知らずに参加して、体裁を悪くすることもあるからね」

社交界のルールっていうのを、
高等部のうちに植え付けるのが、この学園の教育方針だ。

「そっか…友達が参加したくても出来ないってがっかりしてるの」

「晶は?参加したいの?」

間発入れずにで、
処理出来ず見上げると、

「晶も後夜祭に参加したいの?」

真っ直ぐ見つめ返されて、
返事にもたついてしまった。

「僕は後夜祭も主催側だから、
晶を誘ってはあげられないんだ」

それは最初から分かってたことで私も興味がないとは言えないけど参加はしないつもりでいたから。

そう答えるつもりだったのに…

「もし、参加したいのなら…
朋弥に頼んでみるよ?」

透弥さんの一言に、
言葉が詰まって、
何も言えなくなってしまった。