嫌味だ。
朋弥さんおもいっきり嫌味言ってるよ。

ミシンも団旗の修繕も、
私が頼んでやって貰ったのに。

「団旗の修繕?」

片眉を上げながら、
朋弥さんの前に周り込む。

「透弥『ありがとうございます』は?」

透弥さんが団旗を確認するのを、見ながら言った。

「ありがと…

透弥さんが素直にお礼を言ってるのを妨げて、

「やっぱお礼は言葉じゃなくて、モノがいいな?」

足元見てるし…。

透弥さんも無言で眉を潜めてる。

「あと俺のこと疑ったお詫びも」

軽く話す朋弥さんは、
何処までが本気なのか…
私には分からなかった。

「何?」

透弥さんの一言に、

「晶ちゃん…

「却下」

今度は透弥さんが遮る。

「まだ言ってねぇけど?」

朋弥さんが透弥さんを睨み上げる

「僕達のことに、
晶は巻き込みたくない」

透弥さんの言葉は、
嬉しいけど寂しかった。

「なぁ、俺等のことって…
晶ちゃんは関係ねぇの?
透弥はマジじゃねぇの?」

「晶は、僕が守るつもりだから」

私の気持ちを朋弥さんが代弁して
透弥さんの気持ちが伝わる。

「へぇ〜守るねぇ。
けど宮原グループから…
お前一人で守りきれんの?
マジのつもりなら、
晶ちゃんにも覚悟必要じゃね?」

「晶には手出しさせない。
僕が宮原を捨ててもいい。
晶に必要な覚悟は他にいらない」