あたしはケータイをいじりながら待ち合わせ場所の駅前に向かう。


今日は有史に呼び出された。


有史はあたしの彼氏。


ナンパから始まった関係だけど、


今はそんなの関係ないくらいに、


あたしのことを大切にしてくれる。



有史は他校。


てか駅3つ分違う。


だからあたしたちの待ち合わせ場所は真ん中の駅。


待ち合わせの10分後についた。


待たせちゃったかなと周りを見回すけど、


有史らしい人影はない。



「んだよ、呼び出したんなら先にきてろっつの」


「遅刻したひとに言われたくねぇんだけど」


背後から返事が返ってきてあたしは思わずびくっとする。


振り向くと缶ジュース片手に、私服姿の有史がいた。


「どこいたの?」


「お前が来ないから自販機でこれ買ってた」



「そっか、ごめんね待たせて」



「べつにいーし///」


有史は顔をほんのり紅潮させて言った。