怖がり少女と吸血鬼

黒沢くんは壁に手をついて、あたしに顔を近づける。

近い近い近い近い!!

あたしは耐えきれなくなり、視線を足元に向ける。


「こっち見ろよ」

吐息混じりに、わざと耳の近くでささやく黒沢くん。


「……ッ、」


無理に決まってる、のに。


あたしが真っ赤になりうつむいたまま動かなかったら、クスクス笑う声も聞こえてきた。


絶対この人、サドだ。ドSだ。


あたしは恥ずかしくて、でもなんだか悔しくて。
真っ赤な顔のままただ俯く。