時は5月30日の放課後。
狭くて少し薄暗い書道部の部室に顧問田所先生の声が響く。


「う~ん・・・こっちはバランスがいいけどそっちの方がハネが上手・・・(苦笑
もう1回頑張ってごらん(笑)」


「ココんとこ合成させてー(苦笑」


寺井がしぶしぶ元の場所に戻る。


部室には先生、3年生の林先輩、2年生の沙希先輩、そして1年生の寺井と私が残って書いていた。
今日は提出締め切りで先生が今日中に全員の分を集めて、非常勤日の明日、△△展に出してくるらしい。


―――ピンポンパンポーン・・・
“田所先生、田所先生、至急職員室に来てください”
ピンポンパンポーン―――・・・

先生「あれ、なんだろう・・・笑 じゃあちょっと行ってくるので、みんな書いててね」

先生が席を立って出て行った。