「歩き出そっか…。ここで立ったままじゃ、いつまでも帰れないもんね!」



私は顔を俯かせながら、歩き始めると、准も私の歩調に合わせてゆっくりと歩く。



しっかりと私の手を握ってくれている准の手…



大きくて温かい……。



この手から、准の気持ちも全て伝わってくればいいのにな…。



そしたら、笑顔を見せてくれない理由も分かるかもしれないのに…。