「そうなん?やっぱりただの噂なんかな?」


でも噂やとしたらなんでみんな出て行くんやろ?


「ここやでぇ!」


あいちんの指差す方向を見上げると古ぼけたいかにも学生寮ですと言わんばかりの建物があった。


たんぽぽ寮とかかれた板が右向きに傾いている。


「今は多分みんないるんちゃうかなぁ?」


カンカンカンと音を立てながら階段を上っていく。