「奏ちゃん、いつものね」 ちょっと小粋なジャズが流れる店内。 常連のお客様からの注文に笑顔を返してカウンターに戻る。 「マスター、齋藤さんにいつものね。」 ジャズバーBEATでバイトを始めて1年。 バイト代はそこそこ。 週5で入ってるうち2日、ジャズバンドのメンバーとしてチェロを弾く毎日。 夢からは程遠い世界。