タバコとライターを見つめていたあたしは気付かなかった。


周りにいる男たちに…



「何してんのー?」



「え…?」



「すっげぇー可愛いじゃん!暇なら俺らと遊びに行こうよ」


「………」

顔を上げたのが間違いだった。
いつもナンパは無視をするのに、なんで顔上げちゃったんだろう…



「なんで黙ってるの?OKってことでいいのかな?」



「………」

無視してればどっか行ってくれるよね?



「そっかぁ~。じゃぁ、行こうか」

腕を掴まれて無理矢理立たされる。
凄い力で引っ張られて歩かされるっていうより引きずられる…


「…やっ!!離して!!」



「どうして?絶対楽しいから。それにOKって言ったじゃん」



言ってないよ!!
あたしがいつ「OK」なんて言ったの?


「…ちょっ…痛い……」

腕を振り払おうとしても男の人に敵うはずもなく、
あたしが逃げないようにより一層強く握られるだけ。

その力があまりにも強くて腕が痛いー…




「おい」


男たちの後ろからすごく低く、威圧的な声が聞こえた