「『すみません』じゃなくて、『ありがとう』だろ?」
えっ…?
申し訳ない気持ちで俯いていたあたしはその言葉で顔を上げた
視線の先には、優しい目をした彼がいてしばらく見とれてた
カッコイイから見とれてたってのもあるけど、どうしても彼の目から視線を逸らせなかった
どうしてかな?
彼の目を見てたらすごく安心したの
だから自然と言えたんだ
この言葉をー…
「ありがとうございます…」
言った瞬間、彼がすごく嬉しそうな顔をした…気がしたんだけど
一瞬だったからあたしの気のせいだったのかもしれない
「あれだけ泣いたんだ、すぐには頭が動かないだろ。少しここにいろ」
あたしをさっきまで座っていた椅子に無理矢理座らせると彼は歩いてどこかへ行ってしまった

