「おーい、優輔。そいつらの女ってのは嘘らしいぞ。」
目の前にしゃがみ混んでいた男が立ち上がりあたしの後ろに立っている男の人に向かいながら言った。
チラッとこっちを見た男は、口端を上げて笑いながら
「当たり前だろ。そいつは俺の女だ。」
「「はぁ!?」」
歩みを止めた男とあたしの声が重なった。
もしかして…この人も追いかけてきた奴らと同じ…?
あなたの女になったつもりなんてないんですけど。
最近は女の人を“俺の女”って言うのが流行ってるの…かな?
なんて考えてたのに男達の言葉で一気に現実に戻った。
『なにごちゃごちゃ言ってんだぁ!?』
『返す気がないなら力ずくで奪うまでだな』
不適な笑みを浮かべて一斉に飛び掛ってくる男たちー…
もうダメだって…5対2なんて無理だって…
そう思って両手で耳を塞いで、堅く目を閉じた。
目を閉じているから広がるのは暗闇
耳を塞いでいるから広がるのは無音の世界
まるで別世界にいるみたい。
さっきまでの出来事が嘘だったんじゃー…
ビクッ…!!
な、なに!?
何かが肩の上に乗ってる気が…
目を開けて確認したいけど、
開けたときに広がる目の前の光景を見る勇気がない。
どうしよー…

