最愛の人




あれ…?



体を触られる感じもない…
怒鳴られることもない…



何で…?



さっき視界に入った靴を探すとあたしの後ろにあって



「女1人に対して男5人とは、卑怯じゃねーか?」


上から声が降ってきた。


「なんだてめぇー?!俺らの勝手だろ?」


後ろから追いかけてきた男たちが追いついたらしく、次から次へと声が飛び交っている。


「俺らの女だ。返してもらうぜ。」



い、いつからあたしはあなたの女になったの?
勝手に決めないで欲しいです!



トントン…



不意に肩を叩かれて『誰?』って思って振り向くと

ぶつかった怖い男があたしと同じ目線までしゃがみ混んでいた。



な…なんだろ…?



「君…あいつの女なわけ?」


あいつって…指を指してる方を見ると、あたしを追いかけてきた男たちで



「ち、違います。向こうが勝手に言ってるだけです!」



「追われて困ってるんだよな?」



首をおもいきり縦に振って

「すっごく困ってます!」

と力強く答えると、目の前の男がフッと顔に笑みを零し頭を撫でられた。



「直ぐ済むからちょっと待ってろ。」


そういった顔はすごく真剣な顔になっていたー…。