電話を終えると


「仕事が入ったらしいから、ちょっと片付けてくる。明日迎えに来るから病室で待ってろ」


「うん」


あたしの返事を聞いて秦さんは病室から出て行った。









次の日、迎えに来てくれた秦さんに連れられて来たのはマンションの一室


「ここが初美ちゃんの新しい家だ」



「えっ?!ここって…あたし1人で住むんですよね?」



「あぁ、気に入らないか?」


ここは、10階建てのマンションの最上階
もちろん窓からの長めは最高。室内は白で統一されててシンプルだけどすごく可愛い感じ。
リビングにキッチン、寝室、その他に3つのお部屋って…広すぎだよね?
あたし1人しか住まないのにこんなに部屋いらないでしょ?


「ううん、すっごく気に入ったけど…広すぎる!!」



「そうか?部屋は多いほうがいいだろ?」


多いほうがいいかもしれないけど…
まぁ、もういいや…秦さんに任せよう。




ガチャー…っとドアが開いて健二さんが入ってきて秦さんに何かを耳打ちしてる。


「悪い、仕事が入った。この部屋は好きに使え。あとこの口座に毎月お金を振り込んどくから自由に使え。」

と言って、通帳と銀行のカードを机の上に置いた。


「ううん、バイトするからいらない。学費とかこの家の家賃は払えないけど、自分が使うお金は自分で稼ぐ。」


「これは一応持っとけ。必要な時が来るかもしれないだろ?バイトをするのは構わない。だが絶対無理をするな。」


「わかった」

使う事はないと思うけど、受け取った。