"彼"の名前は「御堂優輔」
優輔の「優」を取って優さんなんだって。



あたしより6歳年上らしく、どうりで大人っぽいと思ったんだー。
6歳も離れてるからかな?あたしのことを子ども扱いするの!
何回「ガキだな」って言われたことか…。


だからあたしも"彼"を子供扱いしてみようと思って「みー君」って命名した。
可愛い名前でしょ?


呼んだら、当たり前だけど…すっごく睨まれた!鬼が現れた!

最初は嫌そうだったけど、あたしが負けじと呼びまくったおかげか
しぶしぶ了承してくれた。





みー君は家の前まで送ってくれた。
家に入ろうと玄関のドアを開けると、みー君に呼び止められた。



「初美」



「何?」



「あの公園よく行くのか?」



「う~ん…、毎日ってほどじゃないけどよく行くかな。」


スーパーへ買い物に行く時はあの公園を横切るのが近道なんだよね。



「そうか。引き止めて悪かった」


優しい笑みを見せるとみー君は来た道を戻るように歩き出した。


「みー君!送ってくれてありがとう。」


みー君の背中に向かってそう叫んだ。









家の中に入ると



あれ?


おばあちゃんがいないー…