多分だけど、笑ってると思う。なんか雰囲気がそんな感じ。
指の隙間から"彼"を盗み見ると……やっぱ笑ってる。
恨めしそうに睨んでると目が合った。
「お前ー…」
途中で言葉を止めた"彼"
言わなくても何が言いたいかわかるよ。
「『面白い』って言いたいんでしょ?」
あたしは顔を覆うのをやめてそっぽを向いた。
簡単に言うと拗ねてます…
「面白いっていうのは間違いだ。」
「だよね!あたしが面白いってよくわかんないー…」
あたしの言葉は"途中で途切れた。
「お前可愛いな。」
"彼"に言われた言葉が衝撃的で…なんていうか理解出来ない…
「………」
ただただ"彼"を見つめてた。
あたしが可愛い?
どこをどう見たらそうなるんだろう?
あたしのことを面白いって言ったり、可愛いって言ったり…
"彼"はちょっと変なのかもー…
「俺が変な奴だって思ってないだろうな?」
「な…なんでわかってー…」
急いで口を塞いだ。
でも、もうほとんど言っちゃった後だから意味がない。
「お前、ホントにそんな事思ってたのか?」
"彼"の顔がちょっと険しくなる。
「いや…それはー…」

