「俺はどうなるんですか?」

それを聞いて
お母さんが静かになる。

な、何この空気?

「そうねぇ~…、ひとまず
夏休みはうちに泊まることに
なるかしら。
ごめんねぇ。こんなお家で。」


え!?
ちょっと待って!
泊まるってどういうこと!?
思春期の娘がいるのに
同い年そうな男子泊まらせる訳!?


「おかぁーさん…!」


浩人くんの前で
そんなこと言えないわたしは
お母さんを思いっきり睨んだ。

「ごめんね。未央。
どーしてもの事情で
うちが浩人くん預からないと
いけないのよ。
浩人くんのためだから、ね?」


う…、そんな。

私が黙ると
浩人が私にあやまった。


「ごめん。」

え…
そんなこと言われましても…。

……。

まぁ、しょうがないか。
家庭の事情だし…。


「全然いいよ。
あたしの方こそ感じ悪くてごめん。」

「別に気にしてないから。」

「……。」

また、静かな空気が流れる。

「ほらァ~、家族が
1人増えたことだし。
ここはパーッと食べましょッ!」

そんな空気を直すかのように
お母さんが言う。

「そうだね…!
あたしもお腹すいたし。」