突然
その少年がしゃべる。


「君もすわりなよ。
そもそも、君んちだろ?」

「あー、そうだよね。」

リビングにある
ソファーに座る。

「てか、君というのは
やめてくんないかなぁ。
あたしには名前があるんだから。」

「名前知らないんだから。
呼べるわけないだろ。」

それもそうだね…。

「あたしの名前は未央!
未央でいいよ。君は?」

「俺は浩人。」

「そっか、浩人くん
初めまして!」

「あぁ、うん。」

「…えと…。」

な、何話せばいいんだろ…。

そだ!

「あのさ、なんで
ウチにきたの??」

「……。言いたくない。
家庭の事情ってやつ。」

「へぇ…。
そっか、そっかぁ~……。」

思わず声が小さくなる。




バタン


するとお母さんが
入ってきた。

「ごめんねぇ。夕食できたわよぉ。
今日はおとさんの帰りが遅いから
先食べましょ。」


ふぅ…助かったぁ。
この気まずい空気無理だ。


「あの、おばさん。」

浩人くんが言う。