「いや、特になんにも。
ほら、連れてってよ。」


そして
私が連れてかれたのは
やっぱりあの屋上だった。

だよね。

そして。
花火。

いつ見てもきれい。

思わず

「きれーい」

とつぶやく。

「だろっ?
ここは見るのにもってこいの
とこだもん。」


「……。」

沈黙がながれる。

きこえるのは
花火の音だけ。

ヒュー
バーン
パチパチ

「……。」

どうしよ。
この気まずさわ。
あの光景思い出すと
余計に何も喋れなくなる。

そんなとき
先に声をかけたのは
浩人だった。

「今日、楽しかった?」

「うん。たのしかったよ」

「よかったぁ。
ほっとした。」

「今日はありがと」





って!!
しまった。
前、このセリフで
あんなことなったじゃん!

あー、
あたしのバカ~。