「あのさ。」


「うん?」


「…後少しだけ…こうしてていいか?」


そう言う奏斗の声は少しだけ震えていて。


「奏斗…?」


「頼む。」


「うん…」

















あれから何分ぐらい経っただろう…?


奏斗の胸の中はいつまでも暖かくて、

時間が経つのが遅く感じた。


『このまま時間が止まってほしい』


真剣にそう思った。

幸せだったんだ…この瞬間が。






「…よし。」


「………?」


そう小さく呟いた奏斗は私を離して、
真っ直ぐ私を見据えた。


「今日、生徒会室絶対に来いよ。」


「……何かあるの?」


「……これからの生徒会に関わる大切な事だ。」


凄く大切な事なんだ…


「分かった。」


「渚、本当にごめん。」


「奏斗…?」


何か今日の奏斗…
謎だ…ι