「どうしたんです?」

「暁様が本家に来ております。」

「暁さんが?本家に?」

「はい。なんでも急用らしくて…」


何これ…?
何かちょっとヤバい空気…?

ってか暁って…?


「奏斗…暁って…」

「あぁ…。暁は俺の従兄弟に当たる奴。確か今21歳。」


そこまでは聞いてないんだけど…ι

奏斗と話しているうちにお婆様と若林さんの話しも終わったみたいで…


「渚ちゃん…本当に悪いんだけど…今から本家に行ってくるわ…

私も家を空ける事になるし…泊まるのはまた今度にしてもらっても良いかしらねぇ…」

「はい。大事な用事ですもんね。行ってきてください。」

「ありがとう。…若林車の準備を。」

「はい。」

「渚、よかったのか?」

「うん。充分楽しかったし。それにこんなに沢山の花も見れたしね♪」

「そうか。」

「あ…でも…」

「でも?」

「『恋の大鐘』。見れないのはちょっと残念。」

「今から見に行くか…?」

「ううん。いいや。
また来るよ。…鐘を鳴らしに。」

「…は?」

「だから、また来るよ?誰かと鐘を鳴らしに。」

「…誰とだよ…?」

「誰かとだよ。」

「真面目に答えろよ。」

「これでもかなり真面目なんですけど…?」

「…てめぇ。」

「---クスッ 帰ろ?奏斗?」

「…はぁ…。…あぁ。」



私は出来れば奏斗とまたここに来たいんだけどな。


そんな事を考えながら歩き出した。