「そうだ。明日、3組は数学がありますよね。少しプリント纏めるの手伝ってくれますか?」

「え…」

「ダメ…ですか…?」


湖谷先生は少ししゃがんで目を潤わせて悲しそうに言ってきた。


「いゃ…あの…」

「そうですよね…
困りますよね。緒方さん今からきっと生徒会ですし…」

「―――…ι」


卑怯だ…
卑怯だ、この人はっ!!!!

私も生徒会室行かなきゃいけないのに(っていうか行きたい)!!!

でも何かこんなに言われたら私が悪いみたいじゃない…!!ι


男のくせにっ!!

大人のくせにっ!!!

先生のくせにっ!!!!



でも――…

こんな風に言われたら…


「…わかりました。手伝います。」


断れないでしょ――…


「本当っ!?
じゃあ教官室行こうか。
すぐに終わる枚数だから。」

「はい…
あっ。その前に生徒会室寄ってきます。
一言言っていかないと…」

「じゃあ、教官室で待ってるからね。」

「はい。」



――――――――――――
―――――――――――


「あれ…?」


湖谷先生と別れた後生徒会室まで走って来たのは良いんだけど…


「鍵…掛かってる…?」


何度扉を押しても開かない大きな扉。


「嘘でしょ…どうしよう…ι」


早く行かなきゃたぶん湖谷先生待ってるし…

でも何も言っていかないわけにもいかないし…


「本当…どうしよう…ι」

「渚?」

「え?」